ウクライナ避難民の方が連れてこられた愛犬の検疫について。

2022年04月22日

ウクライナ避難民の方が連れてこられた愛犬の検疫について、報道やSNSで様々な角度から取り上げられておりますが、まず国の仕組みとしては、狂犬病予防の証明のない愛犬が入国する場合は、狂犬病の潜伏期間である180日間は動物検疫所での係留となり、その間は飼い主が直接検疫所に通ってお世話するか、民間の管理会社に委託することになっております。委託をすれば費用が掛かるのは事実であり、今回のケースでは費用が払いきれず管理会社が引き上げてしまったと報告を受けました。現在は動物愛護の観点から職員の方が面倒を見てくれており、殺処分をするような事もありませんが、今後も同じようなケースが発生することも考えられますので、負担の在り方などを考えなければならないと思っています。

 また4月15日よりウクライナ避難民の愛犬の検疫に適用される特例措置(滞在先での条件付き検疫)についても、双方の立場からご意見をいただいております。この特例措置はマイクロチップの装着、狂犬病ワクチンの接種[2回]、血液検査による抗体価の確認等、一般の検疫と同じ要件を満たした場合に、健康観察・報告義務を条件に滞在先での検疫を認めるもので、動物検疫所による立ち入り検査も行います。既に災害救助犬の入国において同様の特例措置が適用されており、今回の措置により新たに狂犬病発生のリスクが増すことはありませんが、動物検疫所の負担増となるため、あくまでも特例の措置としているところです。

 特例措置概要 https://www.maff.go.jp/aqs/animal/dog/import-index.html

 今回の件は、想定をしていなかった事もあり、説明不足な点もあったかとは思いますが、農水省としては安全リスクを変えずに人道的な対応に努めているとご理解をいただきたく思います。